今週は3日も学生たちの試験を審査しています。たくさんの若さ溢れる演奏に色んなことを思います。
楽器を始めて間もない頃、上手だったらプロなんだと思っていました。でも現実は、そればかりではありません。上手なアマチュアさんもたくさんいます。
私が本当のプロなのかは置いておいて(^_^;)、私が思うプロとはズバリ!「ニーズに応えられること」。
指揮者のニーズ、クライアントのニーズ、お客様のニーズ…それらに応えられるのがプロだと思います。
上手なこと、それはもちろんです。ニーズに応えられる技術は当然必要です。それもすべてにおいて上手でなければいけません。イコール、自分の得意なものだけ上手でも、自分のタイミングのいい時だけ上手でもダメです。さらに、理解力、応用力も必要ですね。レベルの高い音楽学校では、勉強のレベルも高いというのもうなずけます。知識もないよりあった方が、頭の回転も遅いより速い方が当然有利でしょう。
コントロール不能な無意識についているクセがあったりしてはいけませんね。では個性も必要ない!?そんなことはありません。そんな限られた自由の中でも、個性は発揮していかなければいけません。
では個性とは?料理をするのに、素材の味がなければダメですね。私たちで言えば、音、アタックなど、元々持っている素材の良さと、場をわきまえた表現とその表現力でしょうか。
そういう人材を作り出すことを前提とした音楽学校の試験では、こういうことが評価の対象になるでしょう。私自身もそういうところを中心にきいています。将来一緒に仕事できるかなぁとかね。
たかが数分の演奏でそんなことまでわかるのか!?それがわかるのです。得意不得意はもちろん、性格(?)や考えていることまで、なんとなくわかるのです。時には血液型まで当てますよ(^^)v
今日も大家さんと話したのですが、大概の場合、できるようになってみて初めてできなかったことに気がつきます。私の先生としての役目は、私が気がついたことはまず教えてあげること。だけど、出来ていない人ほどやっぱり気がつかない。それをどう気づかせるか、それがプロの先生として、生徒の無言のニーズに応える第一歩ですね。出来ないことがわからないと出来るように努力できないもの。その点もともとないものを教えていく学校の先生業とはちょっと違いますね。
まあ、結局どの世界のプロでも大変さは同じですよね。
なんて、こんな風に人の演奏をきいていると正直疲れます。やっぱり私にとって音楽は職業ですね。心地よく音楽をきくということは残念ながらありません。あ~疲れた…。無音が心地よい…(-o-;)
食欲もないくらいなので、晩のおかずは漬け物。やっぱり私は日本人だね~。